ノベルゲー講座

企画の立て方1 ~テーマ決め~(ノベルゲーム制作講座)

『テーマ』を決めろと言うけど、それってホントに大事なの?

 

まとめると……

  • テーマは、作品の方向性、雰囲気、味わいを決めるもの
  • 自身の想いをテーマとして掲げ、軸がブレないようにする
  • テーマは作中で語られないが、疎かにするとチグハグな作品になる

 

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より詳しくは、noteで公開している

空下元のノベルゲーム制作講座1(企画編)

をご覧下さい。

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企画を立てる上で最初に決めること

 

企画を立てる際のアプローチは人によって様々ですが、
私の場合は、最初に作品の『テーマ』を決めます。

ノベルゲームにおける『テーマ』とは、
『ゲームを通してユーザーに訴えたいこと』です。

ノベルゲームは小説と同じく、
テキストを通じてダイレクトに『想い』を伝えられるので、
テーマ決めはとても重要だと考えています。

 

そもそも『テーマ』とは?

 

辞書を開いてみると
「テーマとは主題。主要課題である」と書かれています。
正直よくわかりませんね。

 

ここからは空下の個人的な解釈になりますが、

 

○テーマとは……

  • 物語の方向性、素材発注の指針となるもの
  • 作品の雰囲気をなんとな~く伝えるもの
  • 筆者の訴えたいこと。魂の叫び

だと思っています。各項目を例を挙げながら見ていきましょう。

 

『テーマ』によって作品の『方向性』が決まる

 

『テーマ』がハッキリしていないと、その作品は迷子になります。

 

迷子、と言われてもピンとこないので『文化祭』を例えに出します。

高校の文化祭では、必ずと言っていいほど『テーマ』が掲げられます。
例えば、『飛翔』『エコ』『オリンピック』『地域交流』などですね。

テーマがハッキリしていないと
シンボルマークやコンセプトカラー、校門の飾り付けの方向性が見えず
デザインを任された人は苦労してしまいます。

『飛翔』なら空、青色。エコなら、空き缶で作った校門。
『オリンピック』なら、じゃんけんで景品が増えるなど競技要素を入れてみる。
『地域交流』なら近隣の住民を無料で招待する

など、方向性が見えてきます。

 

もしも文化祭のテーマが『ゾンビ』だったら、どうでしょうか?

「ダークな雰囲気でいけってこと? テーマカラーは黒と紫かな」


「校門の飾り付け、墓地っぽくすると面白いかも!」


「文化祭とハロウィンの合わせ技!? ゾンゾンしてきたばい!」

という感じで、
『テーマ』を決めると「全体を覆うなんとな~くな雰囲気」が伝わります。

 

『テーマ』=『全体の雰囲気』『方向性』が
ハッキリしないまま作業を進めると、

テーマカラーは黄土色。シンボルマークはコアラ。
校門に門松を置き、出店はすべてケバブの屋台!

なんていう、デタラメな文化祭が開催されてしまうわけです。

 

ゲーム作りも文化祭と同じで、
中核となるイメージや『目指すべき方向性』がハッキリしていないと
作品で表現したい想いや物語の展開が
右往左往、二転三転してよくわからない作品になり果てます。

 

『テーマ』=あなたが世に訴えたいこと

 

テーマ決めの重要性はわかったから、内容の具体的な決め方を教えて?
当然そういう流れになりますが、実はこれといった正解はありません。

『テーマ』は、作者の内側から自然と湧いてくるものです。

 

常日頃から抱える想い(喜びや痛み)を『カタチ』にして人々に訴えたいから、
クリエイターは物作りを行い、世間に訴えるのです。
その胸の痛みを文章化すれば、それで『テーマ』決めは終わりです。

え? それじゃあよくわからない? ですよねー。

というわけで、ここからは私が企画決めから参加した美少女ゲーム
『幼なじみは大統領』(※)を
具体例としてあげて、テーマ決めの流れをみていきましょう。

 

『幼なじみは大統領』とは?

幼なじみは大統領,ALcot,アルコット

 

朝目が覚めたら、
隣に住んでいた幼なじみの美少女が、アメ○カの大統領になっていた!?
という破天荒な設定の美少女ゲーム。

宇宙人の陰謀で、隣家がホワイトハ○スになっており、
主人公は副大統領として幼なじみをサポート。
宇宙船を擬人化したロリっ娘や、超能力を使うエージェントなど
様々なヒロインが登場。さらには、○シアの大統領と言い張る
『イリーナ・ウラジーミロヴナ・プチナ』が現れて、主人公に求婚してきた!?

という、ライトなノリのドタバタSF作品です。

明るく熱く爽快感のあるシナリオ&エッチで可愛いらしいヒロインとの
やり取りで好評を博し、ユーザーから高い支持を受けました(自画自賛)。

 

『テーマ』決めの流れ: 幼なじみは大統領の場合

 

『幼なじみは大統領』のテーマは、
『できるかできないかわからないなら、やってみよう!』でした。

これは、某アメリカ大統領の○バマさんのスローガンが
元ネタになっています。(Yes We Can. Yes We Did.)

「大統領を美少女にする」というコンセプトが最初にあり、
社内の方針や私の想いとも合致していたので、テーマに掲げました。

 

できると思ったならやった方がいい。その結果、本当にできるかもしれない。
うじうじ悩んでいても何も始まらない。まずは一歩踏み出そう。

何かを成し遂げる人間とは、一歩踏み出せる勇気を持つ者。
その人に力(権限や立場、腕力など)があってもなくても、変わらない。
たとえ力がなくても、やろうと思った人間に結果はついてくるのだ。

……というテーマを、

大統領としての権限を持つヒロインが有言実行していく。
権限を奪われたが頑張って奪い返して、夢を果たす……

という具合に、
作品の雰囲気、設定やシナリオの流れに絡めていきました。

 

ALcotで今までリリースしてきた作品とは毛色が異なり、
社内的にも大きな方向転換を試みた作品でした。
そういった意味でも『やってみよう』の精神が根底に流れています。

 

自身の体験、想いを『テーマ』にするのは常套手段

 

元ネタがある場合や、日頃から思い描いていることがあれば
『テーマ』を決めるのは比較的簡単でしょう。

「最近の政治はたるんでおる! 美少女を大統領にして活を入れてやる!」
という想いを抱いていた場合、作品は政治批判に向かったはずです。

 

『幼なじみは大統領』の場合、
「今回はギャグシナリオ。重く苦しいネタを入れない」という大前提もあったので、
「やってみよう」「次、いってみよう」「ドリフ?」みたいな軽いノリで、
ドタバタSFアクションものを描くことに決めました。
これが前記した『作品がもつ味わい』を決めるということです。

 

 

『テーマ』は、作品毎に変えなくてもかまいません。

「戦争の悲惨さを映像を通して訴える」という一貫したテーマを掲げ、
ジャンルや媒体、運営会社を変えて映画を撮り続ける監督さんもいます。

また、所属するサークルや会社、クライアント(様)からの依頼で
テーマを決め(られ)ることもあります。

あなたが純愛モノで愛を訴えたいのに、会社は陵辱モノを求めているなど、
企画を立てるあなたの信条と合わないと、お互いに不幸な結果になります。
テーマのすり合わせ、方向性の確認は怠らないようにしましょう。

 

まとめ

『テーマ』は、作品の方向性、雰囲気、味わいを決めるもの。
次回から解説する『企画の予算決め』『スケジュール決め』だけでなく、
『キャラ設定』『世界設定』『台詞回し』などにもテーマが深く関わってきます。

「テーマとは主題。主要課題である」

これを肝に銘じて、作品の『軸』がブレないようにしましょう。
作中で語られないからと言って疎かにすると、チグハグな作品になりますよ。

 

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