まとめると……
- コンセプトとは、テーマを表現するためのアプローチ=切り口。
- コンセプトは、企画のおもしろさに直結する。
- 様々なアプローチがあるので、試行錯誤を繰り返そう。
以前の記事で、企画の土台部分にあたる
『テーマ』決めの重要性について語りました。
今回は、テーマという土台の上に立つ企画三本柱のひとつ
『コンセプト』について語っていきたいと思います。
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『コンセプト』とはなんぞや?
『コンセプト』を辞書で調べると、
「企画における新しい発想の源。作品を支える主題』
と出ます。
『テーマ』と似ていますが、
『テーマ』と『コンセプト』は別物です。
『テーマ』は、企画を立てる際の大前提。訴えたいこと。魂の叫びです。
『コンセプト』は、
提示されたテーマを訴えるための手段、工夫のこと。
企画の中核となる『テーマ』を主張するための
具体的な例を提示するもの、だと私は考えています。
少々難しいですね。例を挙げて考えていきましょう。
これから携わるゲームのテーマが『飛翔』だった場合……
「飛翔=空を飛ぶ=ド直球に航空自衛官ものにする」
「飛翔を精神的成長と捉え、ドン亀ヒロインが作中で出世する」
「空なので、コンセプトカラーは青。ヒロインの髪の色にしよう」
など、『テーマ:飛翔』をベースに
「どのようなアプローチ、表現を行えば飛翔を表現できるか?」
と発想の翼を広げていくことができます。(飛翔とかけています)
この時思い浮かべた
様々な『アプローチ=切り口』をまとめたものが
『コンセプト』の正体です。
コンセプトとは、テーマを表現するための具体案
『テーマ』は目に見えず、ほのかに漂う「匂い」です。
『コンセプト』は、「匂い」を目に見えるカタチに置き換えたものです。
年に一度開催されるモーターショーでは、
各自動車会社から「コンセプトカー」というものが発表されます。
これは自動車メーカーが持つ技術やデザインの方向性を
外部に発信するために作れたモデルカーで、一般販売はされません。
「今年のテーマは未来。今後は流線型のフォルムの車を出していくよ」
という感じで、コンセプトカーという具体例で
『未来』という抽象的なテーマを表現しているわけですね。
売り方やターゲットによってコンセプトも変わる
例えば、
とある企画展のテーマとして『腐ったバナナ』が提示されたとします。
クリエイターは腐ったバナナを表現するため、
そのものズバリ腐ったバナナを展示したり、抽象画を展示したり、
匂いボックスを設置したり、講談師が匂いについて語る
など、あらゆる『アプローチ=切り口』を考えるでしょう。
実際にどのアプローチを仕掛けるかは、
見せたい客層によって異なります。
「絵画」なら美術を好む層に、
「匂いボックス」なら体験型のアトラクションとしてお子様向けに。
「講談師」ならご年配の方が聞きに来てくれそうですね。
絵画を採用したとしても、有名絵師に新しく書いてもらう、
既存の絵を集める、小学校で絵画コンクールを開くなど、
アプローチの仕方で企画展の内容も変わってきます。
あなたがこれから立てる企画は、
「誰に」「何を」「どう」伝えるのでしょうか?
私たちがこれから作るのはノベルゲームなので、
腐ったバナナをいかにおもしろく『読み物』として表現するか。
そこに重点を置いて考えていく必要があるようです。
『コンセプト』は、企画のおもしろさに直結する
ノベルゲームの企画を決める際に重要となるのが『コンセプト』決めです。
作品の中心となる「ネタ」であり、企画のおもしろさ、
ゲームの売り上げにも直結すると、私は考えています。
「学園で恋愛をさせて、失われた青春をユーザーに思い出させる」
という恋愛ゲームによくあるテーマを軸に考えた場合、
「ファンタジーな世界観で、魔法学校の劣等生の話にしよう」
「近未来のとある惑星で、ロボ子と青春を送るディストピアもの」
など『アプローチ=切り口』や『ネタ』のさじ加減ひとつで、
いくらでも話は変わっていきます。
ファンタジー好きな人なら『魔法学校の劣等生』に興味が湧くでしょう。
SF好きな人は、『ロボ子トピア』に惹かれるかもしれません。
ですが、ファンタジーもSFも好みではない人にとっては、
両方とも心に響きません。「普通の学園モノでいいよ」となります。
どのアプローチが心に響くかは人によって千差万別。正解はありません。
こればかりは、企画者の感と勘、観にも頼る必要があります。
自分が面白いと思ったものは面白い
個人的な意見になりますが、
自分で読んでいて「おもしろそう」と思えるなら、
そのまま企画を進めていいと思います。
自分の感性を信じて、自分と同じ『おもしろさ』を共有できる
相手(ユーザー)向けに作品を作った方が、
実際におもしろい作品が出来上がります(と、私は信じています)。
逆に「自信がないな」「おもしろくないな」と思ったら
素直に企画を練り直しましょう。作ってる途中で挫折します。
プロジェクトが動いたら根幹部分は直せなくなるので、
軌道修正するなら今しかありません。
まとめ
コンセプトとは、テーマを表現するためのアプローチ=切り口。
コンセプトの内容によって、企画のおもしろさは変わる。
様々なアプローチの仕方があるので、試行錯誤を繰り返そう。
より詳しくは、noteで公開している
をご覧下さい。
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