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シナリオライター空下元 個人サイト

企画の立て方4 ~規模の把握~(ノベルゲーム制作講座)

予算とスケジュールから企画の『規模』を掴もう

 

まとめると……

  • ゲームの規模は、予算とスケジュールから逆算できる。
  • 予算2,000万円だと、フルプライス作品が12ヶ月後に出る。
  • 企画屋は、プロデューサー、ディレクターの『目』を養おう。

 

前回まではノベルゲーム制作における
『予算の考え方』と『スケジュールの把握』について、説明してきました。
今回は企画の『規模=ボリューム』についてみていきます。

 

より詳しくは、noteで公開している

空下元のノベルゲーム制作講座1(企画編)

をご覧下さい。

(外部サイトに接続します)

 

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ノベルゲーム開発の実例

 

企画の規模は、『予算』と『スケジュール』から決まります。

 

予算『2,000万円』の ノベルゲームの仕様

・攻略可能ヒロイン:4人

・シナリオテキスト容量:1.8M
(1ヒロインあたり、400KB + 共通パート200KB)

・主人公以外、フルボイス

・CG枚数:100枚前後
(1ヒロインあたり20枚 + SDイラスト20枚)

 

フルプライス(¥ 9,800 )の企画になります。
開発期間はおよそ11ヶ月、発売時期は12ヶ月後になります。

 

予算『1,000万円』の ノベルゲームの仕様

・攻略可能ヒロイン:2人

・シナリオテキスト容量:900K
(ヒロイン2人 + 共通パート)

・主人公以外、フルボイス

・CG枚数:50枚
(1ヒロインあたり20枚 + SDイラスト10枚)

 

ミドルプライス(¥ 5,800円 )の企画になります。
開発期間はおよそ6ヶ月です。(発売は7ヶ月後)

 

予算『400万円』の ノベルゲームの仕様

・攻略可能ヒロイン:1人

・シナリオテキスト容量:450K(ヒロイン1人)

・主人公以外、フルボイス

・CG枚数:25枚
(1ヒロインあたり20枚 + SDイラスト5枚)

 

ロープライス(¥ 2,980円 )の企画になるでしょう。
開発期間はおよそ4ヶ月です。(発売は5ヶ月後)

 

企画規模は現場によって異なる

 

上記はあくまで一例なので、予算の内訳は会社によって異なります。

ミドルプライスでも、フルプライスの予算で作ってる現場もあります。
ロープライスの予算でフルプライスの作品を作らされていたら
ブラック案件なので、手を引いた方が賢明でしょう(真顔)。

 

1章前半の記事にて、ノベルゲーム制作の流れを解説しました。
その中で、企画兼ライターがノベルゲーム制作に携わった場合、
最低でも10ヶ月間、企画に従事していることがわかりました。

1.8MBのシナリオのノベルゲームの制作に
11ヶ月~12ヶ月かかる、という試算はここからきています。
(実際に空下が関わった案件でも、それくらいかかった)

 

開発スケジュールと予算のお話

 

お次は人件費、お賃金、報酬のお話です。

個々人の契約内容はさすがに開示できませんが、
それでは『予算感』が掴めないので、
わかりやすく時給1000円で人件費を計算していきましょう。

 

平日20日 × 8時間労働 × 1000円
= 月給 160,000円

月給 160,000円 × 10ヶ月
=1,600,000円

となります。

 

もしも開発メンバーが10人いた場合、
(おおざっぱに計算して)開発費用として『1,600万』かかるわけです。

 

ゲーム会社の多くは能力給&裁量労働制であり、
素材を外注に依頼することも多いため、時給換算は難しいでしょうが、
大まかな『予算感』は掴めるかと思います。

※ 目安として時給1000円にしましたが、
実際はもっと貰って……ます。(たぶん)

 

企画規模から、企画内容も決まっていく

 

ゲームを一本作るのにかかる費用は人件費の他にも、
事務所の光熱費や宣伝費、DVDのプレス代、
限定版の制作費などもかかります。アフレコの費用も馬鹿になりません。

おや、2,000万円では足りない気がしてきましたね。

人件費を削る(時給ではなくて、スケジュールを詰める)か
規模を抑える必要があるようです。

 

そんなわけで「本来は10ヶ月でやる作業量だが、8ヶ月でやれ!」と
現場が無茶ぶりされるわけです(ご無体なー)。

当然、現場から「無理ゲー」という意見が出てくるので、
「2,500万おくれ!」と、クライアント(様)に交渉します。
そして、当然ながら交渉は決裂します(ええー)。

「だったら、ヒロインの数は維持してシナリオ容量を減らそう」
「アフレコとスクリプトを同時進行で行い、納期を繰り上げよう」
「事前にグッズを売って開発費の足しにしよう」

といったように、企画の規模から内容が限定されていったり
予算をやりくりしていくことになります。

 

予算はプロデューサー、スケジュール調整はディレクターのお仕事ですが、
彼らの作業を手伝ったりして『感覚』を養っておくと、
現実的かつ中身のある企画が書けると思いますよ。

 

商業ラインの売り上げと規模の関係

 

商業作品の場合、クライアントから借りたお金は
商品=ゲームの売り上げから返します。

利益をそのまま渡すわけではなく、売り上げから諸経費を引いたうえで、
ショップ、流通、ゲーム制作会社(自分たち) で分配します。

内訳は秘密ですが、だいたい5~6割が制作会社に入ってきます。
会社から入ってきたお金でクライアントへの借金を返済し、
残ったら次回作の資金としてプールします。

 

ので、売り上げが厳しめだと資金は底を突く……

というかマイナスになります。

借金が返しきれないからね。当然だね。

 

 

では、どうするのかと言うと、イベントに出店してお金を稼いだり、
ダウンロード販売などをして、どうにかお金を集めます。
どうにかならないと、普通に会社が潰れます(マジトーン)

 

聡明な読者さんならおわかりでしょうが、
フルプライスのPCゲームは、9,800円(税込み)です。

仮に制作費が2,000万かかった場合、5割が制作会社に入ってくるとして、
4,000本以上は売り上げないと借金は返せません。

 

現状(2019年)、1万本売れればヒット作と呼ばれます。
(2000年代は10万本がヒットの目安でした)

4,000本は、実現可能そうでなかなか難しいギリギリのラインです。
利益をださないと会社としてはゼロ点なので、
せめて5,000本以上は売り上げる作品を世に出したいものですね。

 

企画の規模を自由に設定したいなら、同人もあり

 

「結局、金かよ!」「夢がない」とお嘆きの方もいらっしゃるかもしれませんが、
商業ラインで作品を発表する以上、お金がらみの制約からは逃れられません。

「大ヒットを飛ばして一生左うちわ。勝ったな、がはは!」とならない限りは、
『赤字にならない(できれば黒字にしたい)企画を作らねばならない』ことを
念頭に置いてください。
なぜならアナタは、開発会社に勤める1人の会社員だからです。

 

 

商業ゲームと同人ゲームの間に優劣はありません。
自由に作品を創りたいなら、同人イベントで発表するのも手です。
もちろんお金がないと食べていけないので、覚悟は決めてください。

 

まとめ

 

ゲームの規模は、予算とスケジュールから逆算できます。
プロジェクトの規模に見合った企画を練らないと、
その『夢』は実現できません。

 

理想と現実の狭間で苦しむのはいいですが、
悩んでいる間にお腹も減るので、前を向いて現実と戦いましょう。

企画の「おもしろさ」が保証されているなら、
予算やスケジュール、導入可能な素材の数が制限を受けても、
根っこにある「おもしろさ」は揺らぎません。自信をもってください。

 

この続きは、noteで公開している

空下元のノベルゲーム制作講座1(企画編)

をご覧下さい。

(外部サイトに接続します) 

 

わかった気になっていませんか?

 

解説した内容を踏まえたうえで、
実際に『予算』と『スケジュール』をまとめてみましょう。

 

具体的な数字が出せない場合は、
おおよで良いので必要な開発資金を計算して、発売”希望”日を書きます。

躓きやすいのが「来年のことなんてわからない」などとほざいて(失礼)
考えるのをやめること。(めんどくさいですしね)

そういった場合は
「予定がわからないのは何故か?」「どうして予算が組めないのか?」
といった問題点を洗い出して、具体的な解決策を考えることから始めましょう。

 

例)必要開発資金:150万 / 開発期間:およそ1年

貯金300万の内、100万を同人ゲーム開発費に使用するぞい。
親に頭を下げて、残りの50万を工面しよう。(対策:本業で稼いで返す)
ただし、本業により来年の予定が立てられない。

⇒ それは何故?
⇒ 仕事(本業)が忙しいから。余暇が一日2時間しかねぇっす。
⇒ なら、そもそもゲーム開発は無理ゲーなのでは?

⇒ 対策 : 毎日1時間だけ作業時間にあてる。3年計画でゲームを作る。
⇒ 3年計画なら、親から借りずに貯金すれば足りるかも……

などなど、現実的なプランを立てられます。