ゲーム で使える 無料 写真 の 配布 も行っています。

シナリオライター空下元 個人サイト

売れる企画、面白い企画とは? ポイントを抑えてヒット率を上げよう(ノベルゲーム制作講座)

 

  • 面白さと売りやすさ。どちらを優先すべきかは、企画による。
  • 企画はギャンブルのようなもの。評価は発表後に下される。
  • コンセプト、アピール、ターゲットを定めて、当たる確率を上げよう。

 

 

[toc]

 

企画のテーマと三要素をおさらい

 

これまでの記事で、企画を立てる際に大事なポイントは、

  1. コンセプト : テーマを表現する際のアプローチ、切り口。
  2. ターゲット : 企画を誰に売り込むか。誰向けなのか。
  3. アピール  : 企画の売りとは何か。

を定めることだと説明してきました。

 

三要素を考える際の判断基準となるのが、企画の『テーマ』です。

『お菓子の商品開発』『幼なじみは大統領』を例に、
各要素をおさらいしていきましょう。

 

新商品 スナック菓子

 

テーマ
「母親が安心して子供に食べさせられるお菓子」

1.
「美味しい安全、油が手につかない」というコンセプトで、
ノンフライのスナック菓子を制作。

2.
ターゲットは幼稚園児の男の子を持つ、若い奥様。

3.
男の子自身ではなく、奥様に買わせるのが目的。
親子が笑顔でスナックを食べている絵をパッケージに採用。
次回キャンペーンでは、イケメン俳優をCMに採用する。

 

18禁美少女ノベルゲーム 幼なじみは大統領

 

テーマは
「できるかできないかわからないなら、やってみよう!」

1.
洋画風アプローチで、『アメ○カの大統領』を演出。
前向きに生きるヒロインを描き、シナリオ上でテーマを表現する。

2.
ターゲットを若年層、ライト層にする。

3.
ALcotでおなじみの制作メンバーに加え、新原画家を採用。
大統領の女体化というインパクトで、ターゲットの若年層を狙う。

 

といった具合で、

××というコンセプトで、テーマを訴えたい。
△△という方法でアピールして、○○というターゲット層に売り込む。

と箇条書きでも構わないので、企画の骨子を決めていきましょう。

 

作品として重視すべきポイントは?

 

企画を立てる際は、
『テーマ(芸術性)』を重視するのか
『アピール(商業作品的価値)』を重視するのか、
考える必要があります。

 

アピールを無視してテーマを前面に押し出す
メッセージ性が強くなります。

意欲作として評価はされるですが、商業的に失敗する可能性が高いです。
響かない人にはまったく響かず、誰の目にも触れないこともあります。

 

アピールポイントを重視すると、
キャッチーでわかりやすい作品となり、営業面でも売りやすくなります。

ただし、アピール=商業的価値を高めたためにテーマが曖昧になり、
「薄っぺらい」「中身は普通」という評価を受けるでしょう。

 

 

注意したいのは、
テーマとアピールポイントは『水と油ではない』ということ。

要素が反発し合うこともありますが、時には上手い具合に調和したり、
相乗効果が生まれたことで爆発的なヒットを生むこともあります。
そういった作品は「名作」として、後々まで語り継がれることになります。

 

 

売り上げと面白さ、どっちを優先すればいいの?

 

アナタの立場、企画のテーマ、コンセプト
クライアントの意向にもよるので、ぶっちゃけわかりません(えー)。

 

あなたが作りたい企画は? 会社が求めるゴールは?
ユーザーに訴えたいテーマの内容は?
テーマを訴えるのに最適な表現手段は?
コンセプトにブレはない? ターゲットは適切? 売り上げ目標は……

などなど、プロデューサーから提示された『商業的な要望』も踏まえつつ、
企画者であるアナタ自身が訴えたいこと(テーマ)も主張して、
ベストマッチな組み合わせを見つけてください。

(なんて、口で言うのは簡単ですけどね……)

 

企画の評価は、発表後に下される

 

前回の記事(ターゲット層を定めよう)で書いた取り、
ターゲット層を意識して『売り』をアピールできれば
一定ラインの売り上げは見込めます。

商業なら、前作の売り上げデータ、市場傾向、
同じような雰囲気を持つ他社作品の売れ行きなどから、
具体的な売り上げ予測もつくでしょう。

 

ですが、実際に売れるかどうかは発売してみないとわかりません。

コア層向けに作ったのに、SNSでネタとなりライト層にも受けた。
海外で話題になり、本来のターゲットではない層にヒットした。
発売後に評価され、後伸びでロングランヒットした……

など、フタを開けてみるまで結果は誰にもわからないのです。

 

 

作品のおもしろさも同様で、
サークルメンバーや上司が「面白い、売れる!」と太鼓判を押しても、
世間での評判はあんまり……というパターンはよくあります。

作品を受け取る側の感受性によって感想も異なるので、
「他の人は駄作と言っているけど、自分は傑作だと思っている」
「世間的に評価が高いけど、専門家が見たら駄作」というパターンも。

2018年に大ヒットした映画「ボヘミアンラプソディー」も
専門家の評価は低かったのですが、一般層には受けました。

 

 

企画を立てるのは、ギャンブルのようなものです。

少しでも「当たり」の確率を上げるため、
コンセプトやアピールポイントをしっかりと定め、
的確にターゲット層を狙う必要があるのです。

(私ができているとは思えませんが、だからこそ日々勉強です)

 

まとめ

面白さと売りやすさ。どちらを優先すべきかは、企画によります。

企画が「当たる」かどうかは、ギャンブルですが、
コンセプト、アピール、ターゲットをしっかりと定めることで
当たる確率が上がります(上がるといいなぁ)

 

より詳しくは、noteで公開している

「空下元のノベルゲーム制作講座1(企画編)」

をご覧下さい。

(外部サイトに接続します)