企画を立てる前に、予算とスケジュールを確認しよう。
まとめると……
- 『予算』……開発資金のこと。すべての指針。これがないと何も始まらない。
- 商業では、クライアントからお金を前借りして制作を行う。
- 同人では、自分で開発資金を出す。自由に作れるのがメリット。
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テーマ決めが終わった! さっそく企画を練ってみよう!
いいえ。ちょっと待ってください。
その前に確認すべきことが二つあります。
それが『予算』と『スケジュール』です。
『スケジュール』に関しては、ゲーム制作の流れの記事で触れたので
その重要性がわかるかと思います。
構想10年、制作期間30年の超大作を作りたいとか言い出したら
そのプロジェクトは破綻します。
ここでは企画を立てる際の、もうひとつの最重要確認事項
『予算』について触れていきます。
より詳しくは、noteで公開している
をご覧下さい。
(外部サイトに接続します)
『予算』とは?
『予算』とは、開発に必要となる資金を見積もること。
資金や元手がないと、人件費を払えないので
企画を走らせることができません。世の中、マネーです。
ある程度の開発資金がないと、思い描いていた完成形に到達できず、
絶望して筆を折る……といった悲しい結末を迎えることも。
ゲーム制作における『予算管理』について
ゲーム制作における予算管理とは、
企画を走らせるのに必要な、『開発資金』を見積もることです。
あなたがこれから企画するノベルゲームの規模は、
『予算=開発資金』によって、大きく変わります。
あなた自身の人件費、外注スタッフへの依頼料、光熱費、
パッケージの印刷代やDVDのプレス代もすべて
『開発資金』から捻出されます。
極端な例ですが、開発資金が『1億円』あれば
オープニングムービーをアニメーションにしたり、
キャラボイスに有名声優さんを起用することもできます。やったぜ!
逆に、開発資金が『10万円』しかない場合は、
ボイス収録を諦めなくてはなりません。
背景も、フリー素材から用意しなくてはなりませんね。とほほ。
商業作品と『予算』の関係
携わっている企画を商業ライン、つまりは一般流通に商品に下ろす際は、
クライアント(様)が開発資金を提供してくれます。
無条件で恵んでくれるわけではありません。資金の前借りです。
ゲームの売り上げからマージンを上乗せして、お金を返済します。
企画を持ち込んで、
「これくらいの規模になるから○○万頂戴!」とおねだりするパターンと、
クライアント(様)から
「○○万貸すから、これくらいの規模のゲームを作れ!」と
依頼(開発受注)を受けるパターンがあります。
どちらのパターンになるかは、
クライアント(様)との関係性や、会社の運営方針によるでしょう。
一般的なのは流通会社が制作会社に出資するパターン。
大企業の一部署として、ゲーム開発室が存在していたり、
とあるリッチマンが趣味で出資してくれたり(実際あるそうです)、
社長のポケットマネーで会社を運営しているところもあります。
商業作品のメリットとデメリット
クライアント(様)に開発資金を援助してもらうメリットは
(借金ではあるものの)クライアント(様)がお金を出してくれるので、
『元手』を集める必要がないこと。
市場(=ショップ)に商品を卸すので、広い層へ商品を届けられること。
デメリットは、借金なので手元にお金が残らないこと。
途中で開発資金がショートすると赤字になること。(当然の話ですけど)
デメリットにすべきかは迷いますが、
企画の内容も、クライアント(様)の意向に従わないといけません。
『ノベルゲームという流通商品』の制作を依頼として引き受けるので、
当然と言えば当然の話です。
商品=市場価値がある『売れる』作品を求められるので、
好きなモノ(需要がニッチで売れない)を作らせてくれる会社は稀です。
開発陣が好きなジャンルで、なおかつ売れそうな気配があり、
クライアントも乗り気……という企画があれば、みんな幸せになれます。
実現が難しそうですが、
プロに求められているのは、そういった「無茶な!」企画だったりします。
同人作品と『予算』の関係
あなたが企画しているゲームが同人作品だった場合は、
あなた自身、もしくはサークルのポケットマネーが開発資金になります。
当然ですが、元手がなければ企画はスタートしません。
同人でも「企画を作ってから予算を決める」場合と、
「予算から企画の規模を考える」場合があります。
実現可能なラインで1本作品を作り、売り上げから次に繋げるのも戦略です。
「どうしてもこの企画を作りたい! 規模も変えたくない!」
という情熱があるなら、何とかして開発資金を確保しましょう。
同人作品のメリットとデメリット
同人作品には
「自分が出資者なので、好き勝手に作品を創れる」
という大きなメリットがあります。
「スク水獣耳性転換モノ」というニッチなネタでも、
止める人はいないので、出そうと思えば出せるわけです。
今ならクラウドファンディングも利用できるので、
挑戦してみるのもいいでしょう。
ニッチなネタでも、世界に目を向ければファンはいるので、
試してみる価値はありますぜ!
デメリットは当然、ポケットマネーから資金を出しているので
作品を世に出すまで赤字が続くこと。
出したとしても売れなければ、元手は戻ってきません。
開発失敗のすべての責任は、あなたの肩に重くのしかかります。
いきなり大博打を打つのではなく、
小規模のゲーム作りから手応えと実績、ファンと資金を増やしてください。
最初はフリーゲーム作りから初めて、
経験値を積んでからイベントに挑むのもいいですね。
私もフリーゲームで2本、同人で1本ゲームを作ってから
会社(商業)のドアを叩きました。
現実的な話、業界も厳しいので経験者でないと雇ってくれないでしょう。
■まとめ
ゲーム制作における『予算』とは、開発資金のこと。
これがないと何も始まらない。
商業では、クライアントからお金を前借りして制作を行う。
同人では、自分で開発資金を出す。自由に作れるのがメリット。
『予算』は企画を立てる際に、最初に確認すべき項目。
絵に描いた餅にならないよう、地に足のついた企画を練りましょう。
より詳しくは、noteで公開している
をご覧下さい。
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