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一生に一度だけ咲く花の名前で

一生に一度だけ咲く花の名前で 設定資料集

設定資料集「OSIBANA」(現在は配布しておりません)

から、サイトにて一般公開されていた設定集です。

 

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■間術師に関すること

物事には必ず“間”というものがある。時間、空間、人間、音……。
無意識のうちに作られる“間”を意識して操ることにより、不可能を可能にするのが間術師である。

 

間術理論<基礎編>

――――間術。

それは自然や人間が作り出す「間」や「差」を操る術。

この世にはありとあらゆる「間」が存在する。
「時間」「空間」「距離」「音」「光の強弱」さらには「文間」や「味の違い」、「内と外」という概念や「インテリア」なども「間」と呼べるものであろう。

人間は「間」を聴覚、視覚、嗅覚、味覚、触覚といった感覚器を使って積極的に感じ取る場合もあれば、「時間」「空間」といった漠然とした概念を無意識に受け止めることもある。

間術の基本は人間がもつ5つの感覚器を操り、惑わすことにある。
だが、人の感覚というものは実に曖昧で、そして“わがまま”である。

例えば誰かの見たトマトの「赤」は、他の人間の目から見れば「朱色」かもしれない。
「天使の声」と称される歌声を聞きに来た観客の多くがソプラノ歌手の歌声を絶賛したとしても、観客の中にはソプラノ歌手の歌声がただの「雑音」としてでしか感じ取れない人間が紛れ込んでいる可能性もある。
つまり、人間というものは誰一人として「同じ世界を感じることはできない」のである。

そこで間術師たちは「画一的な世界」を対象に与えることにした。

間術師が響かせるソプラノは誰が聞いても「天使の歌声」になるし、間術師が見せるトマトの色は誰が見ても同じような「赤」に見える。

それは間術師の方から能動的に刺激と感慨を与えてやる行為。
間術とは云わば、個人個人が自由な感覚で物事を捉えることを禁じる呪術の一種なのだ。

 

間術師について

間術はどんな相手にでも決まった幻覚を与えることが出来る。
そしてそれは誰にも知覚や識別ができない「間」を編み出すことが可能であるということを同時に示していた。

つまりは音も立てずに敵の背後に回ったり、要人を誰にも気づかれずに他の地に護送できるということ。

だが、間術は所詮幻術。
中途半端に編み出した術では“勘の鋭い”敵に見破られてしまう危険性があった。
そして間術を「戦いに使う力」として成立させるには、間術理論を学んだ者なら誰でも同等の効果を発揮できるということを証明する必要があった。
なぜなら特定の人間のみが扱えるような力では、汎用性のある「武器」としては認められないからだ。

それに応えるかのように間術を使う者たちは約800年以上もの長期に亘って間術を研究し、その研究成果が後世にきちんと伝わるように間術を理論立てていった。
その後、間術師の子孫は時流の学問や研究を積極的に取り入れ、間術をさらに進化させていった

やがて間術理論は簡略化され、術を学んだものならば誰でも高度な効果を発動できるようになった。
昔は大掛かりな設備が必要であった間術も、今では片腕の動作などによって倍以上の効力を発揮するようになった。

そうして間術は「武器」としての地位を確かなものとし、間術を使う者たちは「間術師」と呼ばれるようになった。

 

間器について

間術は簡略化され、間術を学んだ人間なら誰でも高度な術を行使できるようになった。
そしてその結果、間術師同士の熾烈な戦いが始まった。

同等の力と技を持つ間術師はお互いに潰し合い、その数が減少。
このままでは自分たちが編み出した間術がこの世から消滅してしまう。
そのことを憂いた間術師たちはある対処法を考え出した。

その一つの結論が「間器」と呼ばれる道具による奥義の伝授方法であった。

遺伝子情報を識別する仕掛けが「間器」には施されており、最初に間器を所持した血縁者以外の人間にはその間器は使用できない。
それにより他の間術師との差別化が図られた。

また、自らが作り出した間術理論を「間器」という“形”で伝えるこの方法は、例え一族の生き残りが一人になったとしても間術理論そのものは無くなりはしない。

間術師たちは独自の間術を編み出し、それを間器に刻み、秘匿とした。
他者に間術の奥義が知られるのを恐れた多くの間術師たちは地方に隠れ住み、間術師の数は一定数に留まることになった。
だが、都に残った数少ない間術師たちはお互いに手を組み、やがて「結界」が結成されることになる。

 

逸脱者

人の姿と知性をもちながら、他の生物の能力を手に入れ、人の「限界」を超えたもの。
逸脱者とは魔術師とも、化け物とも、超能力者とも呼ばれる彼ら異能力者の呼称である。

 

逸脱能力とは

人の脳の97%は使われていない。
それは動物的な感覚を司る右脳。
その部分は使わないだけであって、使えないわけではない。

すべての生物はひとつの「素」から生まれた。
つまりは皆、同じ「情報」をその細胞ひとつひとつに刻み込んでいるわけである。

もとはひとつであった生物は、時とともに動物や植物、そして人間に派生した。
そして時が経てばもちろん、蓄積されていく情報量も増えていく。

脳は細胞である「情報」を統括する機関である。
野生の動物はその「情報」を駆使して自然的な感知能力をもつ。
そして、知性を得るかわりに運動能力を特化させて成長していった。
一方、人間という種は運動能力のかわりに知性を特化させた。
人間は知性を得た代償に、脳に蓄積されていた動物的自然的感覚という「情報」を封じ込めた。

脳の中にあらかじめ含まれている動物的な内的情報。
人間はその「情報」を使用しなくなったから、倉庫の奥にしまいこんだだけに過ぎない。
なら、その情報を引き出してみたらどうなるのだろうか?

それはわからない。

人の身体に刻まれている遺伝子情報がそれぞれ違うように、人が持つ潜在的な「情報」は人によって違うのだ。
動物的、植物的、自然的、または超自然的な能力を「思い出す」かもしれない。

そのようにして人の姿と知性をもちながら、他の生物の能力を思い出し、人の「限界」を超えたもの――それが魔術師とも、化け物とも、または超能力者とも呼ばれる彼ら「逸脱者」なのである。

 

2タイプの逸脱者

逸脱者は大まかに2つの種類に区別することができる。
それが「既存能力所有者」(以下、所有者)と「能力覚醒者」(以下、覚醒者)だ。

所有者は一族の血に逸脱能力が予め備わっている例で、その能力は一族の血が途絶えるまで引き継がれる。
能力の覚醒度合いに個人差があり、運がよければ人間として生まれ、運が悪かった場合は人間ではない異形の姿のまま誕生してしまうことがある。
地方で未だに行われている水子供養は、異形化した赤子の魂を鎮め清めるために行われるのだとも言われている。

覚醒者は突発的に逸脱能力が身についたもので、所有者の始祖にあたる。
能力に覚醒する要因は様々あるが、もっとも多いのは遺伝子異常のケースである。
他の哺乳類と人間の姿形が違うのは塩基配列の微妙な差異によるものに過ぎない。
遺伝子に異常が認められた場合は新生児の段階で秘密裏に手術が行われ、能力は封じられる。
しかし、生まれたときには発見されず、肉体的にも精神的にも強いショックを受けた場合に発現してしまう潜伏型と呼ばれるケースもある。
身体の奥底に眠っていた動物的本能が呼び覚まされ、人の限界さえも超えて己の身に迫る困難な状況を回避しようとするのだ。

そして覚醒者の中には外的要因によって逸脱能力が身につく場合がある。
それは他者に能力を与えることができる逸脱者が、相手に能力を「感染」されてしまった結果、強制的に逸脱能力が覚醒してしまう場合。
そのようにして逸脱者になった人間は、急激な身体の変化についていけずに大抵は異形化してしまう。
通常、逸脱者は力を隠して一般人として人間社会に溶け込んでいるが、外的要因によって強制的に逸脱者となってしまった人間は力を隠す術を知らない。
そういった逸脱者は結界や修繕屋といった“狩る者”たちの手によって闇の中に葬られていくことになる。

逸脱者に関する研究は確実に進んでいるが、「どうして遺伝子異常が起きるのか」「なぜ特定の人間だけが逸脱能力に目覚めるのか」ということや、逸脱能力の起源などについても深くは言及されておらず、逸脱者というのは未だ多くの謎に包まれた存在であるといえるだろう。

 

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組織

結界

地方に隠れ住まず都に残った間術師たちが、日本の“均衡”を自分たちの手で守ろうと考えて結成された組織。
本部は間術が生まれた場所、そして封じられた「門」のある土地―――沖縄にある。
8つの方角を子・丑寅・卯・辰巳・馬・未申・酉・戌亥にわけ、それぞれ「~ノ柱」と呼ばれている。本部は宗ノ柱という。

柱には“柱守”と呼ばれるリーダーが存在し、所属する間術師は彼らの命令に従って行動する。
一つでも柱が壊れたら森羅万象のバランスが崩れ、徐々に日本は衰退していくと言われている。

 

修繕屋

通称「修繕屋」もしくは「クロックマイスターズ」と呼ばれる、西欧を中心に活動している秘密機関がある。

世界の理をひとつの時計に見立て「この世に存在するそのすべては、時計を規則正しく動作させるための部品である。
そしてその『世界時計』を動かす権利があるのは自分たちだけである」という思想を抱いている。
実際に彼らの手によって各地の戦争は引き起こされ、そして世界の平和は維持されている。彼らにとっては戦争も平和も、歯車を上手く回すために塗るオイルのようなものなのである。

しかし、世界は常に正しく回転するわけではない。突然動きが止まったり、時計が逆回転するときだってある。
そこで歯車の回転を阻害する錆――――未知数の可能性を秘めた“逸脱者”を排除することが必要とされた。
そこで修繕屋の中に戦闘部隊が組織。戦闘部隊は時計になぞらえて12の地域で分けられ、それぞれの地域に地区統括本部が置かれ、各国に支部が設立された。

(ちなみに12の地域とは1「ロシア」2「中国」3「アジア」4「カナダ」5「北アメリカ」6「南アメリカ」7「オセアニア」8「アフリカ」9「中東」10「東欧」11「西欧」12「北欧」)

戦闘部隊の中には志願した逸脱者や実験で生まれた逸脱者も数多く含まれおり、実際の戦いは逸脱者同士が行うことの方が多い。
また、逸脱者に対抗するための研究も盛んで、各地に研究機関が存在する。

ちなみにその歴史は古く、ローマ帝国分裂時から発生。
総本部はトルコのイスタンブールにあるとされている。

「クロックマイスターズ」とは、絶対に修復不可能だと言われた時計を、運命の歯車さえも部品のひとつとして組み込んで直すことに成功した技術者たちに送られた称号が由来。
現在では「歪んだ世界の解れを繕う組織」「壊れかけた『世界時計』を直す集団」という意味で「修繕屋」とも呼ばれている。

 

罪人の子供たち

かつて修繕屋に対して大反乱を企てた“藤枝皇王”が作り上げた反修繕屋組織。
修繕屋に恨みを持つ逸脱者が多数在籍している。

一昔前は、頻繁に戦闘を繰り返していたが、代表が代わってからは表舞台に登場することもなくなった。
逸脱者の発見と保護、逸脱者同士の情報交換や協力要請を行ったりするのが主な活動。
ただし対立する“修繕屋”との小競り合いは今なお続いている。
基本的にはボランティア組織なので組織としての拘束性は持っておらず、費用などは自己負担。但し頼めば必要経費は出してくれる。

リーダー役が自然と決まり、そのリーダーに従うのが暗黙の了解になっている。
一人で好き勝手に行動しても殺されるのがオチだということはわかっているので、軽率な行動をとるものは少ない。

 

一生に一度だけ咲く花の名前で 攻略ルート

ネタバレにつき、次ページで解説

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